ホント。

「電話そろそろ切ろうッか」
と、彼。
「あ、もう夜遅いですもんね。
　ごめんなさい、こんな時間まで調子に乗って。」
時計を見てちょっとびっくりする私。
「いや、そうじゃないんだけど…。
　電話してるとさ、無理だって分かってても逢いたくなるじゃん。」
「え？」
「だって、電話する時って、ホントは逢いたい時だろ？」

そう。
私達ってば、ほんの数時間しか一緒にいなかったのにね。
貴方なんて、私の方から連絡しなきゃ、私の名前も覚えてなかったくせに。
ホントは顔もよく思い出せないんでしょ？
知ってるんだから、私は（笑）。

なのになんでこんなに惹かれるのかな？
貴方も私に逢いたいと思ってるの？
ホントに？
私と同じもどかしさを感じてる？

「たった1回、しかもちょっとしか会ってないのにね。」
「…そんなの関係ないだろ？」

うん。
ちっとも関係ない。


次に私達が逢えるまで、
この気持ちはホントに続くのかな？
気持ちばかりが高まりすぎて、
現実を見ちゃうと夢から覚めたりしない？

このドキドキはホント？


少なくとも、私は電話を切った後も貴方のことが心から離れなくて、
全然眠れなかったよ…。